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スペインのデリバリー手数料比較:Glovo・Uber Eats・Just Eat

スペインの飲食店向けに、Glovo・Uber Eats・Just Eatの公式手数料、初期費用、契約条件を比較。30ユーロの注文で残る利益とIVA、自社のネット注文の始め方も解説します。

スペインの飲食店は、Glovo、Uber Eats、Just Eatの3つに同時に出店できますが、手数料の公開度、契約条件、自社の注文チャネルを宣伝するときのルールがそれぞれ異なります。Uber EatsとJust Eatは標準の手数料率を公開しており、Glovoは契約で個別に決めます。公式の手数料率で計算すると、プラットフォームの配達員が届ける注文は、手数料、IVA(付加価値税、日本の消費税にあたる税)、食材費、容器代を払うと利益がわずかしか残らないため、自社のネット注文を持つ価値があります。ただし、自社のお客様から育てることが条件です。このガイドでは、寿司店やラーメン店などスペインで飲食店を営む方に向けて、3つのプラットフォームを1つの表で比較し、30ユーロの注文で残る金額を試算し、ルールの範囲で自社の注文チャネルをつくる方法を説明します。

要点

Uber Eatsスペインが公開している標準手数料は、プラットフォーム配達30%、自社配達15%、店頭受け取り15%です。Just Eatスペインは自社配達で15%+1注文0.30ユーロです。Glovoは合意した料率にIVAを加えた額で、「優先利用」の取り決めを結んだうえで他のデリバリープラットフォームにも出店すると、最大30%まで料率を引き上げられることが規約に書かれています。手数料にかかるIVAは控除できる仕入IVAですが、注文価格に含まれる10%のIVAは税務当局に納めなければなりません。自社の注文チャネルは自社のお客様にだけ宣伝しましょう。Glovoの規約はGlovoの注文に自社チャネルのチラシを入れることを禁じており、Just Eatの価格保証では、自社サイトのデリバリー価格のほうが安いと、お客様に差額の2倍のクーポンが渡されます。

Glovo・Uber Eats・Just Eatの比較:配達方式、手数料、契約

3社とも、プラットフォーム配達(プラットフォームの配達員が届ける)と自社配達(自店のスタッフが届ける)の両方に対応しており、違いは手数料率を公開しているか、出店時に何を払うか、契約にどう縛られるかにあります。下の表で同じ項目を比べます。手数料と条件は2026年10月7日に、Uber Eatsスペインの料金ページ(英語)、Just Eatスペインの加盟店登録ページ(スペイン語)、Glovoのスペイン向け加盟店規約(スペイン語)で確認しました。

比較項目 Glovo Uber Eats Just Eat
配達方式 Glovoの配達員、自社配達 プラットフォーム配達、自社配達、店頭受け取り 主に自社配達。プラットフォーム配達も利用可
プラットフォーム配達の手数料 合意した料率+IVA(非公開) 注文額の30% 非公開
自社配達の手数料 合意した料率+IVA 15% 15%+1注文0.30ユーロの事務手数料
店頭受け取りの手数料 非公開 15% 非公開
初期費用と端末 1店舗につき最大200ユーロ+IVAの開設手数料。合意した場合は月額最大20ユーロのプラットフォーム利用料。提携終了時に端末を返却 料金ページに記載なし 登録料299ユーロ+端末保証金100ユーロ(同じページに登録費用はかからないとの記載もあるため、見積もりで確認を)
契約期間 24か月、自動更新。解約は60日前に通知 料金ページに記載なし 登録ページには、いつでも解約できると記載
市場シェア(2025年6月) 53.8% 28.5% 14.5%

Uber Eatsの料金ページには、「Uber One会員」向けの別の料率として、プラットフォーム配達33%、自社配達13%も記載されています。

市場シェアの行は、スペイン司法総評議会(CGPJ)のプレスリリース(スペイン語)によるものです。2025年7月10日に公表されたこのリリースは、Just EatがGlovoを不正競争で訴えた裁判で、バルセロナ第2商事裁判所が訴えを棄却した第一審判決を伝えています。判決は2025年6月のシェアをGlovo 53.8%、Uber Eats 28.5%、Just Eat 14.5%としていますが、注文件数と売上高のどちらで測ったシェアかはリリースに書かれていません。また、Just Eatの事業の約80%は飲食店が自ら配達する注文で、Glovoはその逆だとも述べています。

手数料以外にかかる費用とルール

手数料のほかに、開設手数料、有料の販促、ミスへのペナルティ、契約期間を確認してください。いずれもプラットフォームの規約に定められています。Glovoは加盟店規約の全文を公開しており、次のように具体的に書かれています。

  • IVAは別途:Glovoの手数料は合意した料率にIVAを加えたもので、総売上をもとに計算されます。
  • 会員の注文と販促:Glovo Primeのユーザーからの注文について、Glovoは1注文最大0.75ユーロの固定料金を追加で請求できます。有料の露出はアプリ内の表示順位に影響することがあります。
  • 表示順位:規約に挙げられた主な順位の要素には、ユーザーの好み、注文の実績、受け取り・配達エリア、配達半径、配達予定時間などがあります。
  • ペナルティ:店側の責任で注文が不足・誤り・品質不良になった場合、該当する商品の全額に加えて、その金額の最大30%のペナルティを負担します。配達員の到着から8分を超えても料理ができていない場合は1.75ユーロから課金が始まり、1分ごとに0.25ユーロずつ増えて、1注文最大7.25ユーロになります。店側の責任でキャンセルになった注文は、1件5ユーロ+IVAです。
  • 他のプラットフォームへの出店:両者で「優先利用」の取り決めを結ぶことができ、Uber EatsやJust Eatなどにも出店する場合、Glovoは料率を最大30%まで引き上げることができます。
  • 契約期間:24か月で自動更新されます。解約には60日前までの書面通知が必要で、通知がない場合、Glovoは直近3か月の取引額の10%を請求します。
  • 保険:一般賠償責任保険に加入し続ける必要があります。

複数店舗を運営している場合、Glovoの開設手数料は店舗ごと(規約でいう「AFILIADO」ごと)にかかる点に注意してください。契約書に署名する前に、見積もりと照らし合わせてこれらの条項を確認しましょう。

試算:30ユーロの注文でいくら残るか

公式の手数料率で計算すると、プラットフォーム配達の30ユーロの注文では、IVA、手数料、食材費、容器代を差し引いて約7ユーロが残ります。自社配達なら約11.70ユーロが残りますが、配達員の費用は自店で負担します。次の前提にもとづく例です。

  • お客様の支払いは30ユーロで、料理には10%のIVAがかかります(IVA法第91条(スペイン語)。砂糖や甘味料を加えた清涼飲料とアルコール飲料は21%で、この例には含めていません)。
  • プラットフォーム配達の手数料はUber Eatsが公開している30%、自社配達は15%とし、どちらも注文額にかけます(実際の計算基準は契約によります)。
  • 食材費は販売価格の32%、容器代は1注文1.50ユーロとします。どちらも仮定です。
  • 人件費、家賃、光熱費、自社の配達員の費用は含めていません。
項目(ユーロ) プラットフォーム配達(30%) 自社配達(15%)
お客様の支払額(IVA込み) 30.00 30.00
差し引き:10%の売上IVA(税務当局に納付) −2.73 −2.73
差し引き:プラットフォーム手数料 −9.00 −4.50
手数料にかかる21%のIVA(1.89/0.95) 控除できるため費用ではない 控除できるため費用ではない
差し引き:食材費(32%と仮定) −9.60 −9.60
差し引き:容器代(仮定) −1.50 −1.50
残る金額 約7.17 約11.67

間違えやすい点が2つあります。

  • 手数料のIVAは費用ではありません。手数料には21%のIVAがかかりますが、これは仕入IVAで、IVA法第92条により、納めるIVAから控除できます。IVAの簡易課税制度(módulos)で課税される事業者も、特定のルールのもとで、経常的な取引にかかる仕入IVAを控除できます。ご自身の申告での扱いは、ゲストリア(gestoría)や会計士に確認してください。
  • 注文価格にはIVAが含まれています。お客様が払う30ユーロのうち2.73ユーロは納めるべきIVAなので、売上にはなりません。

Just Eatの自社配達(15%+0.30ユーロ)なら、手数料は4.80ユーロで、残るのは約11.37ユーロです。

デリバリー価格は店内価格より高くできるか

店内より高い価格でデリバリーを販売できるか、どこまで上げられるかはプラットフォームによって違うため、価格を決める前にそれぞれ確認してください。

  • Uber Eats:加盟店向けヘルプセンター(英語)によれば、Uberはよく注文される商品のUber Eatsでの価格を店内価格と比べており、この「メニュー価格の上乗せ(Menu Markup)」の指標は、Uber Eatsの成功スコア(success score)を構成する項目の1つです。
  • Glovo:加盟店規約では、アプリの表示と実際の店舗の提供内容に違いがあれば店側の責任とされ、その例としてアプリと店舗の価格差が挙げられています。そこから生じる追加費用も店側の負担です。
  • Just Eat:価格保証(スペイン語)は、店に直接デリバリーを注文するのと同じ価格をJust Eatでも提供すると、お客様に約束しています。同じ店が自店のチラシやWebサイトなど別の場所でもっと安い価格を出していれば、Just Eatは差額の2倍をJust Eatのクーポンでお客様に渡します。配達料、特別オファー、店頭受け取り、店内飲食は比較の対象外です。

つまり、どのプラットフォームでも認められる標準の上乗せ率はありません。容器代と手数料をまかなうには、デリバリー用のセットメニューを組む、麺がのびやすい料理など、運ぶと品質が落ちるメニューを外す、契約書で価格のルールを確認する、といった方法のほうが安全です。

出店前の準備:アレルゲン、スペイン語の表示、キッチンの流れ

出店前に、アレルゲン情報、スペイン語のメニュー情報、デリバリー注文用のキッチンの流れの3つを用意してください。EUの食品情報の消費者への提供に関する規則(規則(EU)No 1169/2011)(英語)の附属書IIは14のアレルゲン群(グルテンを含む穀物、甲殻類、卵、魚、落花生、大豆、乳、ナッツ類、セロリ、マスタード、ごま、二酸化硫黄と亜硫酸塩、ルピナス、軟体動物)を定めており、料理ごとにどれを含むかを示す必要があります。日本の特定原材料とは品目が異なり、醤油(大豆、小麦)、ごま、だしの魚など、日本食は1皿に複数のアレルゲンを含むことがよくあります。チェックリストは次のとおりです。

  • オンラインメニューのアレルゲン表示:勅令126/2015(Real Decreto 126/2015)(スペイン語)第9条は、包装されていない食品をオンラインで販売する場合、アレルゲンを含む義務表示事項を、お客様が注文を確定する前と受け渡しの時点で確認できるようにすることを求めています。Glovoの規約も、アレルギー情報の入力を求め、その内容を店側の責任としています。
  • スペイン語での表示:同じ勅令の第10条は、料理名やアレルゲンなどの義務的な食品情報を、少なくともスペイン語(カスティーリャ語)で提供することを求めています。日本語など他の言語を加えることはできますが、スペイン語の代わりにはなりません。
  • メニューを完成させる:Glovoの規約は、店舗を公開する前に、写真、説明文、その他の必須メニュー情報を100%そろえることを求めています。
  • キッチンの流れ:デリバリー注文は別に印刷し、梱包場所を固定して、出す前に1件ずつ確認しましょう。品物の不足や間違いによるペナルティや返金を防げます。
  • 注文を1つの列にまとめる:複数のプラットフォームを使うなら、各社の注文をPOSレジに取り込み、キッチンが1つの注文の列で作業できるようにします。詳しくはスペインのPOSレジとVerifactu対応のガイドをご覧ください。

自社のネット注文は作るべきか:ルールを守った宣伝方法

常連客が安定している店や複数店舗を持つ店には、自社の注文ページや自社ブランドのアプリを作る十分な理由があります。プラットフォームの手数料がかからず、注文データをポイントやリピート販売に使えるからです。ただし、プラットフォームの注文の中でお客様を引き抜くのではなく、自社のお客様から育てる必要があります。

比較項目 プラットフォームのみ プラットフォーム+自社注文
1注文あたりのコスト プラットフォーム手数料(上の表を参照) 自社チャネルは手数料なし。決済手数料はかかる
顧客データ プラットフォーム注文のお客様の情報は、その注文の処理にしか使えない 自社チャネルのデータは、データ保護法に従ってポイントやリピート販売に活用できる
新規客 プラットフォームから来る 自分で宣伝する必要がある
配達 プラットフォームの配達員を使える 自店のスタッフか、1件ごとに料金を払う配達サービス
投資 プラットフォームに応じた初期費用と端末費用 最初の開発費と継続的な保守費

やってはいけないこと

  • プラットフォームの注文に自社チャネルのチラシを入れる:Glovoの規約は、チラシやリーフレットなど自社の販売チャネルの資料をGlovoの注文に入れることを明確に禁じており、違反するとGlovoが提携を終了し、損害賠償を請求できるとしています。他のプラットフォームについては、ご自身の契約を確認してください。
  • プラットフォームのお客様に営業する:Glovoの規約では、受け取った顧客データは注文の処理にしか使えません。
  • 自社サイトのデリバリー価格をJust Eatより安くする:Just Eatの価格保証の対象になります(前の節を参照)。

できること

  • Googleビジネスプロフィールに注文リンクを追加する:Googleマップの店舗情報に自社の注文ページを追加し、優先する注文方法に設定できます。詳しくはスペインでのGoogleビジネスプロフィールのガイドをご覧ください。
  • 店内にQRコードを置く:テーブル、カウンター、入口にQRコードを置き、店内で食事をしたお客様や来店したお客様が、次回からフォローしたりネットで注文したりできるようにします。
  • 同意したお客様にだけメッセージを送る:販促のメールやSMSを送れるのは、事前に同意を得た場合か、既存の取引関係があって同種の商品を案内する場合に限られ、すべてのメッセージに簡単な配信停止の方法を入れる必要があります(LSSI第21条。スペイン向けWebサイトのGDPR対応チェックリストも参照)。
  • 配達:自社の配達員がいない場合は、Uber Directのような1件ごとに料金を払う配達サービスを使えます。Uber Eatsの料金ページには1件5.20ユーロからと記載されており、料金は距離、配達スピードなどによって変わります。

当社のおすすめは次のとおりです。開業したばかりで注文が少ないうちはプラットフォームで始め、新規客を連れてきてもらいます。常連客がついたらWebの注文ページを立ち上げて効果を測り、複数店舗でポイント、クーポン、通知を共通化したくなったら自社ブランドのアプリを検討しましょう。

よくある質問

Glovo、Uber Eats、Just Eatに同時に出店できますか?

はい、契約に独占条項がなければ可能です。たとえばGlovoの規約では、両者で「優先利用」の取り決めを結ぶことができ、Uber EatsやJust Eatなどにも出店する場合、Glovoは料率を最大30%まで引き上げることができます。いくつのプラットフォームに出店するかを決める前に、こうした条項について確認してください。

スペインのGlovo、Uber Eats、Just Eatの店側の手数料はいくらですか?

2026年10月7日時点で、Uber Eatsスペインが公開している標準手数料は、プラットフォーム配達30%、自社配達15%、店頭受け取り15%です。Just Eatスペインの加盟店登録ページには、自社配達で15%+1注文0.30ユーロの事務手数料と記載されています。Glovoは料率を公開しておらず、契約で決めた料率にIVAが加わります。実際の料率は、ご自身の契約書に書かれたものです。

デリバリーの袋に自社注文サイトの割引カードを入れてもいいですか?

Glovoの注文には入れられません。Glovoの加盟店規約は、自社の販売チャネルのチラシやリーフレットをGlovoの注文に入れることを明確に禁じており、違反すると提携の終了や損害賠償の請求につながります。Just Eatでは、自社サイトやチラシにより安いデリバリー価格が載っていると、Just Eatがお客様に差額の2倍をクーポンで渡します。自社の注文チャネルは、店内で食事をするお客様や来店したお客様に宣伝しましょう。

飲食店が自社で配達する場合も、スペインのライダー法は適用されますか?

ライダー法(Ley Rider)は、現在は法律12/2021(Ley 12/2021)(スペイン語)として施行されており、労働者憲章(Estatuto de los Trabajadores)に推定規定を加えました。デジタルプラットフォーム上のアルゴリズムによる管理で仕事を組織・管理する雇用主のために商品を配達する人は、雇用労働者と推定されます。対象はアルゴリズムで仕事を割り振るプラットフォームで、飲食店そのものではありません。自店で配達スタッフを雇う場合は一般の労働法が適用され、雇用契約と社会保障(Seguridad Social)への加入が必要です。プラットフォームの自社配達モデルを使う場合、Glovoの規約は、配達スタッフの契約、保険、雇用上の義務はすべて店側の責任だと定めています。

デリバリー注文の本当の利益を計算したい方や、POSレジやデリバリープラットフォームと連携した自社の注文ページやポイントシステムを作りたい方は、ご相談ください。UsualMatrixは、Web注文、自社ブランドのアプリ、バックオフィスの連携を開発しており、中国語・スペイン語・英語でやり取りしています。アプリ・システム開発サービスをご覧いただくか、お問い合わせください。

重要:本記事は2026年10月7日時点の一般的な情報であり、税務・法律上の助言ではありません。プラットフォームの手数料や条件は変わるため、ご自身の契約書を基準にしてください。IVAの扱いはゲストリアや会計士に、配達スタッフの雇用については労働法に詳しい弁護士やゲストリアにご確認ください。

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